管理栄養士としての心に対する考え方


身体にいい、ってどういうこと?

あなたは、何を食べると体にいいと思いますか?

・肉や魚だけでなく、野菜

・有機栽培したもの

・国産のもの


逆に身体によくない食べ物は?

・ジャンクフード

・カップラーメン

・合成添加物の入ったお弁当


そう答えるかもしれません。

以前は私もそう思っていて、極力身体にいい素材にこだわっていました。(今もそうですが)舌が敏感になると、添加物も分かるようになってきました。


しかし、私は、大人になった今でも鮮明に覚えている「カップラーメン」があります。

中学時代、毎年恒例の耐寒登山がありました。

足には滑り止めのアイゼンをつけて、ひーひー言いながら登ります。

そして、頂上に到着。

達成感の中、汗をぬぐって、昼食を食べますが、この頂上で食べるカップラーメンの美味しかったこと!!

メーカーや何味だったかは覚えていませんが、今でも、気圧の影響で少し膨らんだカップラーメン、一緒に食べた友達の表情などが思い出されます。

これ、同じカップラーメンを、家で、自分で作って一人で食べても、そこまで美味しくないんですね…。


つまり、環境と人によって、感じ方が全然違うから、必ずしも体にいいものが美味しい、思い出に残るとは限らないのではないかな?と思うのです。


感情を伴うと、思い出に残ります。

そして、それは、その人にとっての食のエピソードの一つになっていきます。

そう考えると、たかがカップラーメン、されどカップラーメンですね。


誰でも、同じ料理でも、その環境と、そこにいる人によって、美味しさが全く違うなぁ、と感じたことがあると思います。

つまり、ジャンクフードは悪者扱いばかり、ではないなぁと感じています。


健康が生きることの目的になってしまって、肝心の人生を楽しむことを忘れたら、身体は健康だけど心はアンハッピーになると思いませんか?

自分がハッピーなら、例え身体にいいとは言えない食事であったとしても、心が幸せだからいいのではないかな?と私は考えています。

イライラして食べてしまう人は、どうしたらいいの?

とはいえ、いつもいつも、満足して食事ができる訳はありません。私もそうですが、毎日の暮らしの中で、ストレスを感じながら生活している人が多くいます。そして、その中で「食べる」という行動が、少しばかり暴走してしまう人もいます。そんな場合は、どうしたらいいでしょうか?

これから2つの例を紹介します。


【例1】

「定年退職した旦那が、毎日家にいてるから、昼ご飯の用意をするのが苦痛で…。何にもしてくれへんから、もうイライラして!!」

という場合、私は次のように考えてもらいます。


・「毎日家にいてる旦那さんに、どうしてほしいと思っているの?」


ゴロゴロされるのが嫌なのか、

手伝ってくれないことが嫌なのか、

メニューに文句を言われることが嫌なのか、

自分の本当の想いに気づいてもらいます。


その上で、それを旦那さんにどう伝えたらいいか?を考えて、実際に行動に起こしてみます。旦那さんの言い分を聞くと、腹の立ち方も変わってくるかもしれないです。例えば、以前家事に手を出してやり方が違う!と文句を言われたから、何もしない方がいいと思って、あえて手出ししないのかも知れません。


一人でイライラしてるよりは、話すことで、問題解決の糸口が少しでも見つかれば、食べるという行動も変化が起こる可能性があるんです。


 

【例2】

「仕事後に、直接家に帰らずに、赤のれんをくぐってリフレッシュして帰らないと、もうやってられへんのやわ」


・「やってられへんのは、何が原因?」と聞きます。


部下が仕事のミスが多くて、自分が後始末のフォローに追われていることなのか、上司が任せてきた仕事をうまく部下に振り分けられず、自分ひとりで抱え込んでいることなのか、仕事終わりで疲れているのに、家に帰ると妻にあれこれ言われて居場所がないことなのか、イライラの訳に気づいてもらうことから始めます。


その上で、そのイライラを解決するために、今自分がすべきことを考えてもらいます。例えば、部下の仕事のミスを減らすために、自分ができることはないか?

失敗の原因を一緒に考えるとか、自分がこまめにチェックするとか、判断に迷ったときは必ず先輩に確認するくせをつけさせる、などの具体的行動を考える、などです。


そして、自らそのすべきの行動をし、相手の言い分も聞き、どうすればいいかを考えます。もしかしたら、部下はいちいち先輩に聞くと、仕事ができないと思われるのが嫌で、自信ないながらも自分で判断しているのかもしれないのです。


イライラが減れば、訳もなく赤のれんをくぐる必要はなくなりますし、飲みたい時は飲む!というように、楽しく飲めるようになります。


このように「なぜそんな風に思うのか?」「なぜそんな行動をとってしまうのか?」という自分の素直な気持ちを感じて、必要な行動をとることが、食の問題の解決につながることもあるんですよ。


(すべてがこんなにシンプルに解決するわけではありませんが…)


こうなると、もう栄養指導ではありませんね。

食の悩みは、心の問題からきていることがよくあります。

上記の例のように、心と食事というのはとても密接に関わっているので、何をどれだけ食べればいいか、というアドバイスはあまり意味がないケースが多い、と私は感じているのです。


なぜこの人は、こういった食生活を送っているのか?という「その人全体」を見なければ分からないことが多々あるからです。

実は、家庭の問題が原因だったり、職場でのストレスが原因だったりするんです。

なので、私は個々の栄養素を論じるより、心の問題、コミュニケーションを大事にしています。