●フォローアップミルクは、育児用粉ミルクではなく、「食品」です。
赤ちゃんの月齢が進んでくるにつれ、生後9カ月頃になるとママ達が気になることは…
・そろそろ、普通の粉ミルクからフォローアップミルクに変えないといけないのかしら?
・私は母乳だけど、少しは哺乳瓶でフォローアップミルクをあげないと、鉄分不足になるのかしら?
ということ。
答えは…NO!
全く必要ありません。
粉ミルクの赤ちゃんは、そのままでいいです。
母乳の赤ちゃんも、引き続き母乳だけで大丈夫です。
じゃぁなぜ、フォローアップミルクがあるの?
フォローアップミルクがいいって聞いたのは、ウソだったの?
これについてお話しますね。
WHO(世界保健機関)は、1975年に、
「フォローアップミルクは、乳児の食物の液状部分として使用する食品」と定義しています。
また日本でも、1990年、日本小児栄養消化器病科学会が、
「フォローアップミルクには、乳児期の栄養法としての必要性は認めない」と発表しています。
フォローアップミルクは、普通の粉ミルクに対して、タンパク質、カルシウム、ナトリウム、カリウムがかなり多く添加されていて、成分は牛乳にかなり近いんです。
なので一見、栄養価が高く、優れているようにみえますが、赤ちゃんの消化・吸収・分解には量が多すぎて、内臓への負担が大きい可能性が考えられます。
最近では、2007年に発表された「授乳・離乳の支援ガイド」にも
「生後9カ月以降は、鉄が不足しやすいので、赤身の魚や肉、レバーを取り入れ、調理用に使用する牛乳・乳製品のかわりに育児用ミルクを使用するなど工夫をする。
フォローアップミルクは、母乳または育児用ミルクの代用品ではない。
必要に応じて(離乳食が順調に進まず、鉄の不足のリスクが高い場合など)使用するのであれば、9カ月以降とする。」
と明記されています。
なので、乳児期に母乳をやめて、牛乳に近いものを与えなければならないという理由はありません。
同様に、混合・粉ミルクの赤ちゃんも、わざわざフォローアップミルクに変える必要性は全くないんですよ。
●じゃぁ、なぜフォローアップミルクが作られたの?
そもそもの起源は、1970年代にヨーロッパで、生後6ヶ月前後の早い時期から赤ちゃんに牛乳を与えるという慣習のせいで、赤ちゃんの鉄欠乏が大きな問題になっていたそうです。
そして、その鉄欠乏予防のために、離乳期の赤ちゃんに与える液状食品として、フォローアップミルクが開発されたのです。
■ なぜフォローアップミルクがいまだに売られてるの?
何度も言いますが、フォローアップミルクは、育児用粉ミルクの代替品ではありません。
しかし、日本では「調整用粉乳の一種(粉ミルクの一種)」として認可されたという不思議な歴史があり、これが混乱を生んでいるのです。
食品なのに、ミルクというネーミングも誤解のもとですよね…。
いくつかの乳業会社のサイトを見てみると
・9カ月頃(1歳頃)からの栄養を補うのはフォローアップミルクです。
・鉄分やカルシウム不足が補えます。
・バランスよいミネラル、ビタミン含有されているので、牛乳よりもお勧めです。
・DHAも配合されています。
などと書かれていました。
新米ママがこれ読んだら、「うちもそろそろ変えなきゃ!」って思うのが自然だと思います。
私も長男が生まれるまで、粉ミルクのことは詳しく知りませんでしたよ。
栄養士になるために、「小児栄養」という分野も学びましたが、粉ミルク、フォローアップミルクの違いなんて、???覚えてません。
ははは~(笑)
私の出産した病院では、調乳指導という時間が設けられていました。
病院が提携している乳業会社の栄養士さんが出向いてきてくれて、産後退院前のママの希望者のみ、粉ミルクの作り方を指導してくれるというものでした。
それで、いずれフォローアップミルクというのに切り替えるんだ~と教えてもらった気がします。
幸い、私は四苦八苦した結果、生後3カ月頃から完全母乳で過ごせたので、生後9カ月頃にフォローアップミルクで悩まされなくてすみました。
でも、年配の方からは
「あんまり離乳食を食べていないんなら、フォローアップミルクに切り替えた方がいいよ。
私たちが子育てしてた頃は、そうしてたし、その方が栄養あるのよ」
なんていうことも聞きました。
調べてみると、粉ミルクよりもフォローアップミルクのほうが価格が安いんですね…。
買ったことないので、知りませんでした。
あるサイトによると、以下のように書かれていました。
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フォローアップミルクと育児用粉ミルクは、見た目は似ているのに、何故フォローアップミルクの方がリーズナブルな価格なのか分かりますか?
それは、育児用粉ミルクよりも、製造方法が簡便で済むためです。
製造ラインの衛生基準も異なります。
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だそうです。
わぉ!びっくり。
世の中には、たくさんの情報があります。
もっともらしく書かれていることも、多々あります。
みんながしているから、それが当たり前と勘違いすることもあります。
でも、正しい情報を知った上で、選択してほしいなぁと思います。