●食べやすいスプーン、食べにくいスプーン
スプーンは、大きさや形を、子どもの口に合わせることが大事です。
その理由は、
・大きなスプーンでは、大量に食べ物が入る可能性がある。
・スプーンのボール(丸いところ)が深すぎると、食べ物を口に移すことが難しくなる。
からです。
私たち大人も、中華料理のれんげって、中の食べ物を口に入れるのが難しくないですか?
あのれんげに入ったチャーハンって、上手く口に運べますか?
私は、最後の方が残ったり、唇でこそげとりにくいなぁと感じるし、ぽろぽろとこぼれることもあります。
単純に大きさ、深さ、形だけを考えると、普通のスプーンの方が、食べやすいですよね。
これ、赤ちゃんも同じなんですよ。
赤ちゃんに適したスプーンの大きさは、赤ちゃんの口よりも小さな幅のもので、先がとがっていないものだそうです。
ママの中には、キャラクターのかわいいスプーンを使いたいなぁ、と思う方もいるかもしれません。
あるいは、赤ちゃん自身が、上のお兄ちゃんお姉ちゃんのスプーンに興味を持つかもしれません。
でも、そのスプーンが幼児用のものだとしたら、実はうまく食べれないんですよ。
● 口にさえ入れば、後は食べれるよね^^ではありません!
赤ちゃんの口にスプーンを入れる時、どこまで入れていますか?
そんなこと、意識しないかも知れません。
実は、舌の奥の方へ食べ物をおかれると、次の処理がうまくできません。
正しくは、まっすぐに入れて、口を閉じてからまっすぐに引き抜くようにしましょう。
すると、食べ物が舌の前の方にのるのが、イメージできますか?
これが、食べやすい位置なんです。
赤ちゃんがすぐに口を閉じないからと言って、上あごになすりつけたり、歯ぐきにスプーンをひっかけるのは、好ましくありません。
なぜなら、スプーンを噛む癖がつきやすくなるからです。
スプーンのボールの底を、舌にのせるようにしましょう。
また、お口の中にいっぱい食べ物が入っているのに、次々と入れてしまうことはありませんか?
特に、ママが時間に余裕がなくて焦っている時に、明らかに早すぎるペースで次々とスプーンを運んでしまってないでしょうか?
私も経験があります。
時間に余裕がない時、大人同志の会話に花が咲いて、しっかりと子どものペースに向き合っていない時は、子どもが食べやすいペースではなく、私のペースで上げてしまいがちです。
外食をしている時に、離乳食をあげているママさんが、異常に早いペースで、どんどん食べさせているのを見かけたこともあります。
赤ちゃんが「ママ、もうちょっと、ゆっくり、食べさせてよ…」と言えたら、ママも気が付くんでしょうけどね…。
ある専門書には、次のように書かれています。
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離乳食の途中で、『ゆっくりとおしつぶして、ごっくんする』のを学ぶ時期に、大きなスプーンで、たくさんの食べ物を、口の奥に入れられると、舌と上あごのセンサーがきちんと働かず、噛まなければいけないものなのか、噛まなくてもいいものなのかの識別をしないままに、飲み込むことを覚えます。
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その時はさっさと食べさせることができるのでいいのですが、それが習慣になると、赤ちゃんが間違った食べ方の学習をしてしまうかもしれない、ということです。
● こんな食べさせ方はNG!次の4つは今からストップ!!
1.まだ口の容積が小さいのに、大きなスプーンで大量に口に入れる
→子どもの口よりも小さな幅のものにしましょう。
2.食べ物を口の奥の方に入れる
→食べ物が舌の前の方にのるのが、食べやすい位置です。
3.スプーンを入れるタイミングや引き抜くタイミングが、子どもに合っていない
→まっすぐに入れて、まっすぐに引き抜くタイミングは、赤ちゃん自ら口を閉じるまで、あせらず待ちましょう。
4.まだ口に食べ物が入っているのに、次々と入れる
→前の食べ物がきちんと処理し終わってから、次の食べ物を入れましょう。
これらの4つの与え方は、丸飲みの癖がついたり、噛めない子になったりするんですよ。
私たちママは、どんな形であっても、我が子が食べてくれたら嬉しいし、やった~!と思います。
でも、実は、赤ちゃんが食べやすくあげているか?ということに関しては、スルーしがちだと思いませんか?
スプーンの食べさせ方一つにしても、奥が深いですね…。
※参考図書:「じょうずに食べる、食べさせる」 山崎祥子著 芽ばえ社