● 「ママ~!私、白いご飯が食べたいの…」
『Aちゃんには、軟飯はまだ食べにくいかなぁ?』と思ったママは、軟飯を器に入れ、野菜を混ぜて、お白湯を入れて食べやすくしました。
すると、Aちゃんは…器をのぞき込んだだけで、プイッと横を向いてしまいました。
もう、お腹空いてないのかな?と思って様子を見ていると、ママの茶碗に残っている軟飯の方に手を伸ばし、手づかみして、一生懸命食べているではありませんか?
この姿をみて、私もママも、気が付きました。
「あ~、Aちゃんは、白いご飯がそのまま食べたかったんだね」
これは、先日の離乳食講座での1シーンです。
『10カ月のうちの子は、離乳食をあまり食べないんです』というお悩みでした。でもそんな中、ママは本当に一生懸命メニューを工夫し、何とか食べてもらおうと頑張っておられました。
『ちょっとでも食べてくれると、今のうちに少しでも多く食べてほしい!という思いが強くなるんです』と言われていましたが、私も息子の離乳食で困った時期があったので、その気持ちはとてもよく分かります。
効率的に、食べてほしいと思うがあまり、ご飯とおかずを混ぜて一度に食べさせたくなることってありすよね?
いろんな味が混ざったスプーンを、嫌がることなくあ~んしてくれる赤ちゃんはいます。が、いつもそうだとは限りません。
この日のAちゃんは、「白いご飯」が食べたかったんです。
だから、混ぜご飯にされた途端、食べる気がなくなりました。そしてママの軟飯に手を出したんです。
子どもって、とても素直です。
栄養うんぬんではなく、まさに本能で生きているなぁと感じさせられました。
● 「ごはんが美味しいですね」
自宅で離乳食講座をする時、場合によってはご飯をお出しすることがありますが、最近、来て下さるママからよくこんな風に言われます。
私自身いつも食べている味なので、あまり他と比べたこともなくて、気にしたことがありませんでした。
でも、ここのところ、何人ものママに「どこのお米ですか?」と聞かれます。
わが家のお米は、京都にある親戚の農家さんから分けて頂いています。
なので、おそらくノーブランド。
多くの方と違うのは、ガスコンロで炊いていることと、鋳物ホーロー鍋Vermicular(バーミキュラ)を使用していること、でしょうか…。
このバーミキュラというお鍋は、1年待ちをして買った鍋です。日本版のルクルーゼといえば、イメージしていただけるでしょうか?
このお鍋で炊飯すると、炊きあがりの米粒は、ピンとたっていてとても美味しいです。
炊き上がったら、おひつに入れて保存しますが、わが家の子どもたちは、外から帰るとこのおひつに群がって、冷ご飯を食べるほど大好き。冷めても美味しいんです。
…話がそれました。私が言いたかったのは、ご飯が美味しく炊けると、子どもはそのデンプンの甘みを感じて、よく食べるのではないか?ということです。何も、ガス炊きがいいとか、高価なホーロー鍋がいいとか、そういうことでなありません。
パパやママにも、それぞれご飯の硬さの好みがあると思います。固いご飯が好きな場合は、子どもと一緒に分けるのは難しいかもしれません。でも、固めに炊いたご飯に水を加えて柔らかくしても、柔らか目に炊いた軟飯とは、味や食感が違う可能性があるので、お子さんの食いつき具合に差があるかも知れないんですね。
もしも、お子さんがごはんをあまり好まないなぁ、という場合は、普段とは違う水加減や炊き方で、一度試してみてはいかがでしょうか?